婦人

多種多様の原因が渦巻く症状【多汗症を直すポイント】

2つの手術で悩み解決

医者

超音波手術に人気

人間と違って汗による体温調節機能を持たない犬や猫は、呼吸器を使って体内の熱を逃がしています。その点で人間は犬や猫よりも効率よく体温を下げる仕組みを持っていると言えます。エアコンも何もなく飲水さえ限られた場所でしか得られなかった原始時代にあっては、こうした体温調節機能が欠かせなかったのです。そんな優れた機能を持つ汗も、冷房や飲料などがいつでも得られる今は時として邪魔な存在になりがちです。特に多汗症の人は、体温調節に必要な量を超えた汗に悩まされています。先祖が他の動物との生存競争に勝つため獲得した体質が、現代社会の中ではかえって裏目に出ているのです。多汗症にはいくつかの原因があると言われており、バセドー病や糖尿病などの病気もその1つです。更年期障害や自律神経失調症ではホルモンバランスや自律神経の乱れが原因で、体温調節機構の暴走から多汗が発生しています。肥満体型の人も汗をかきやすい傾向にある他、緊張やストレスなど精神的な原因でも異常な汗が出ます。多汗症になりやすい体質には遺伝傾向も認められます。多汗症の治療としては、一時的な効果を狙った方法から永続的効果を目指す方法まで数多く実施されています。前者の代表例は薬で一時的に汗を出にくくする方法です。抗コリン薬や塩化アルミニウムなどの塗り薬が知られています。電気治療のイオンフォレースや、ボツリヌス菌の毒素を使ったボトックス注射は薬より長期間の制汗効果が期待できます。以上のような方法は効果も限定的ですが、中には半永久的に汗が出なくなることを望む人も少なくありません。特に腋の下の汗は目立ちやすい部分だけに、汗腺そのものを破壊するという超音波手術が人気を集めています。この方法では皮膚に超音波を当てることでエクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方を破壊します。ワキガ治療にもよく使われており、短時間の手術で傷口も小さく済む点が人気の秘密です。

手の汗はETS手術で解決

多汗症の人の何割かは、特有の臭いを発するワキガにも悩まされています。その臭いはアポクリン汗腺が原因ですので、超音波でこの汗腺を破壊した上で吸引するという手術は極めて有効です。ただしこの超音波手術も腋の下など特定部位にしか適用できません。それ以外の局所的な多汗や全身多汗症に悩んでいる人は別の解決法を探す必要があります。そんな人たちの間で多く選ばれているのは、ETS手術とも呼ばれる胸腔鏡下交感神経節遮断術です。汗は本人の意思とは無関係に自律神経の作用で発生していますが、この発汗作用には交感神経が関わっています。ETS手術は腋の下を数ミリ切開し、胸腔鏡という細長い医療機材を挿入してこの交感神経を切断する手術です。胸腔鏡はがん治療などにも多く使用されており、先端に取り付けられた超小型カメラの解像度は大幅に向上しています。手術と言ってもメスで大きく切開するわけではありませんので、日帰り手術も可能です。ETS手術は手掌多汗症の治療にも適しており、上半身の汗を抑えるには非常に効果の高い方法と言えます。多汗症の中でも手掌多汗症は最も多くの人が悩まされおり、日常生活にも支障の出るケースが少なくありません。汗のために物を触れなくなるといった悩みも、ETS手術が解決してくれるのです。超音波手術やETS手術を受ける際には、腕のいい医師のいる美容外科を選ぶといいでしょう。テクニックに優れた外科医ほど手術が正確なため、後遺症の発生率も低く抑えられています。事前にクリニックの評判を調べてから受診すれば、良い医師と出会うことができます。人によっては半永久的な効果までは望まず、一時的でも汗を抑える方法を選ぶ場合もあります。それぞれの治療法にはメリットとデメリットがありますので、医師と相談して最適な方法を選ぶといいでしょう。医療の力で汗をコントロールできれば、人前に出ることも苦痛でなくなります。